2025年3月に休刊となった雑誌「母の友」に、「こどもに聞かせる 一日一話」という人気企画がありました。子どもにさっと読んであげられる短いお話を、一挙にまとめて掲載するものです。
その「一日一話」を「とものま」で再開します。季節ごとに7話ずつ、とびっきりのお話をお届けします。
小川かなこ 作
パンダのきょうだい、とんとんくんとらんらんちゃんはおだんごやさんです。おだんごはみたらし、あんこ、きなこ、それからピンクとしろとみどりのさんしょくだんごと、パンダのだいすきなささのはっぱのささだんごがあって、どれもだいにんきです。
あるひ、みせにたぬきくんがやってきました。
「あした、さくらやまで、おともだちとおはなみをするから、おだんごを30ぽん、さくらやままでとどけてくれるかな。」
「わかりました。」
らんらんちゃんはいいました。

つぎのひ、とんとんくんとらんらんちゃんは、おだんごを30ぽんつくってさくらやままでもっていきました。さくらやまは、おはなみきゃくでいっぱいです。
「どうしよう。どこにたぬきくんたちがいるかわからない。」
らんらんちゃんはいいました。
「たぬきくーん。パンダのおだんごやさんがきましたよー。」
とんとんくんはおおきなこえでいいましたが、みんなのはなしごえでたぬきくんにはきこえないようです。
すると、
「いいことかんがえた!」
と、とんとんくんがいいました。
とんとんくんとらんらんちゃんはおみせにもどると、おりょうりにつかうおおきなボウルに、しろいおだんごのざいりょうをやまもりにいれてこねてから、もうひとつのおおきなボウルでふたをしてヒモでとめました。それをキッチンでゴロゴロところがしてふたつのボウルをパカっとあけると、なかからおおきなおだんごが。ピンクとみどりのおおきなおだんごもひとつずつつくりました。そして、その3つのおおきなおだんごをささのえだにぶすぶすっとさせば、おおきなさんしょくだんごのかんせいです。
「よし。もっていこう。よいしょ。よいしょ。」
とんとんくんとらんらんちゃんは、おおきなさんしょくだんごを1ぽんとちいさなおだんご30ぽんをさくらやままでもっていきました。
さくらやまにとうちゃくすると、おはなみきゃくのみんなは、おおきなさんしょくだんごにびっくり。いっせいにおはなじゃなくて、おだんごをみました。するとたぬきくんが
「こっちだよー!」
と、おおきなこえでよびました。
「よかった、たぬきくんあそこだ。」
むかおうとしたそのときです。
かぜがぴゅーとふいて、さくらのはなびらがいっせいにかぜにまい、いちめんピンクいろです。とんとんくんもらんらんちゃんもたぬきくんもみんなみえません。はなびらがヒラヒラヒラ〜ヒラヒラヒラ〜。
さくらのはなびらがひゅーヒラヒラヒラ〜。
とんとんくんもらんらんちゃんもおだんごも、さくらのはなびらにうもれてピンクいろです。

「とんとんだいじょうぶ?」
「だいじょうぶだよ。らんらん、さくらいろパンダになってるよ。」
「とんとんもだよ。」
「みんな、はなびらでさくらいろだね。」
たぬきくんがいうと、みんなでわらいました。
おおきなおだんごは、さくらのはなびらをとって、おはなみきゃくみんなでたべました。そのあと、おだんごについていたさくらのはなびらは、らんらんちゃんがもってかえってきれいにあらってから、しおづけにして、「さくらちゃ」にしてたぬきくんたちとのみました。

(おしまい)
◆子どもと一緒に挿絵を見ながらお楽しみになる方は、こちらからPDFのファイルをダウンロードの上、出力してお楽しみください。 ※個人利用に限ります。

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