ゆうべのおもちゃ

6月 葉っぱ頭

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子どもとの時間を楽しみたいのに、公園に連れて行くことも、絵本を読むこともままならない……。そんな日々のすきま時間に、がんばらずに楽しめる手作りおもちゃを、毎月1つご紹介します。第3回は「葉っぱ頭」です。

6月 葉っぱ頭

大人だって好きなんですが、子どもって、何かを拾ったり摘んだりするのが大好きです。

ぴょん一がコレクター的に石ころやらをためこんだのに対して、ぴょん子は木の実や花を、拾いっぱなしの摘みっぱなし。あまり執着はない様子。犠牲になるのは、近所の緑道のタンポポ、ネコジャラシ、ハルジオンを筆頭に、庭やベランダのシソやパセリ、ハーブ類……。

8割がたはゴミ箱(あるいは台所)行きですが、たまに気まぐれをおこして、空き瓶を持ってきて飾りたがります。あったかーいおててにしかと握りしめられていた草花は、たいがいすっかり元気をなくしてしまってるんですけどね。

ある日のことです。庭からつんできて、キツネのしっぽだの、ほうきだのに見立てられ、さんざんもてあそばれた末の、だらりとしおれたフェンネルを空き瓶にさしながら思いました。これって髪の毛みたい。

「顔をつけてみようか?」と言ったら、ぴょん子も大乗り気。紙にいろんな顔を描いてくれました。この際、冷蔵庫の葉っぱ、総動員! パセリのあまり、使いかけのサニーレタス、カイワレダイコン、チンゲンサイ……。アフロやパンクヘアのキュートな葉っぱ頭が勢ぞろいしました。

ところで、人魚姫ふうだった(?)フェンネル嬢のロングヘア、翌朝にはピンと景気よく立ちあがってました。

写真:鈴木健

※ 月刊絵本「かがくのとも」2008年6月号折込より再掲。当時12歳の長男 “ぴょん一くん” と3歳の長女 “ぴょん子ちゃん” と一緒に楽しんだ手作りのおもちゃについて綴ったエッセイを、当時のままにお送りします。

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