子どもとの時間を楽しみたいのに、公園に連れて行くことも、絵本を読むこともままならない……。そんな日々のすきま時間に、がんばらずに楽しめる手作りおもちゃを、毎月1つご紹介します。第4回は「オランダのぞき箱」です。
たまに「のぞき箱」というのを作ります。空き箱の中に人形や雑誌の切り抜きを立て、のぞき穴から中をのぞくという遊びを知ったのは8年前。たまたま観にいった舞台でモチーフとして使われていたのです。オランダから来た劇団だったのですが、かの地では子どもが一度は作るおもちゃだというこの「のぞき箱」が、ロビーにいくつも展示されていました。いかにも幼い手がこしらえたと思える箱を何気なくのぞいてみたところ、内部は色セロハンを通した赤や青の光に染められ、さながら異空間! 心底感激したのでした。
子どもと作るなら、靴の空き箱がちょうどいい大きさです。縦方向の面に直径2センチ程度ののぞき穴をひとつ開けてから、中に好きなものを並べます。ふたのほうに、光が充分入るよう大きめの穴を開け、好みの色セロハンでふさぎます。上から光が当たる場所で中をのぞいてみてください。意外な奥行きに、あっと驚かれるはずです。
いままでにいくつ作ったでしょうか。ぴょん一は夏休みの自由研究としてかなり手のこんだもの―小1の夏の「海の中」(砂をしいて、ふたの裏から紙の魚を糸で吊るしました)、小6の夏の「ウルトラマン・バトルゾーン」(ご想像におまかせします)―も作りましたが、ぴょん子と遊ぶなら、箱の中にミニチュアの動物を並べるだけでも充分。のぞくときに倒れてしまわないよう、両面テープなどで軽く固定してあげましょう。
写真:鈴木健
※ 月刊絵本「かがくのとも」2008年7月号折込より再掲。当時12歳の長男 “ぴょん一くん” と3歳の長女 “ぴょん子ちゃん” と一緒に楽しんだ手作りのおもちゃについて綴ったエッセイを、当時のままにお送りします。