ゆうべのおもちゃ

8月 アイスの棒

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子どもとの時間を楽しみたいのに、公園に連れて行くことも、絵本を読むこともままならない……。そんな日々のすきま時間に、がんばらずに楽しめる手作りおもちゃを、毎月1つご紹介します。第5回は「アイスの棒」です。

8月 アイスの棒

工作用に物を取っておくということはあまりしないのですが、どうもアイスの棒が捨てられません。30円かそこらのアイスに、無垢の薄い棒がついてくる贅沢さ! 中国産の白樺なのだそうです。育ちの早い竹のほうが環境にはよさそうですが、アイスがすべり落ちてしまうのでしょうか?

マドラー代わりにしてみたり、花の名前を書いて花壇にさしてみたり、ラップの芯にじゃらじゃら入れておみくじを作ってみたり……

あのシンプルきわまりない細長い板きれには、「きっともっといい使い方があるはずだ~!」と、思わせる何かがあります。そういうわけで、夏になると、台所の水切り棚に、1本、また1本とアイスキャンディーの棒がたまっていきます。

ペン立てにさしてあった数年分の棒を、ぴょん子が人の形に並べて遊んでいました。人形を作ってみようか? いっしょにボール紙で体を切り抜いてから、アイスの棒の手足を糸でくくりつけてやりました。糸を通す穴は、画びょうで開けました。力まかせに押しこむと棒が割れてしまうので、慎重に。ついでにあやつり人形ふうに糸をつけて、簡単な動きがつけられるようにしてみました。手に持った割りばしの先端を上げたり下ろしたりするだけです。

できるだけ単純に作ったつもりでしたが、ぴょん子には難しかったよう。ちょっとだけ遊んで、「糸がないほうがいい」と言われてしまいました。また余計なことをしてしまった! アイスの棒は「棒のまんま」が一番かも知れません。

写真:鈴木健

※ 月刊絵本「かがくのとも」2008年4月号折込より再掲。当時12歳の長男“ぴょん一くん”と3歳の長女“ぴょん子ちゃん”と一緒に楽しんだ手作りのおもちゃについて綴ったエッセイを、当時のままにお送りします。

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