絵本の選びかた

【基本編】絵本や読み聞かせを楽しむときに大切にしてほしい4つのこと

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子どもと絵本を楽しみたい! そう思って書店や図書館に足を運んでみたものの、あまりにもたくさんの絵本が並んでいて、どうやって選んだらいいのか、わからなくなってしまった経験はありませんか? この連載では、初めて絵本を手に取る方や、絵本選びに迷う方に向けて、絵本の楽しみかた・選びかたのヒントをお届けします。今回は、絵本を楽しむうえで大切にしてほしい4つのことをご紹介します。

①絵本は〈楽しむ〉ためのもの

子どもにとって、絵本は〈役に立つ〉〈ためになる〉ものではなく、〈楽しみ〉そのもの! 絵本は楽しい遊びのひとつ、ということを念頭に、気楽に手に取ってみてください。

子どもは、遊びを通して育っていく存在です。絵本という遊びの中で、たくさんの冒険をくり広げ、さまざまなものに出会い、いろんな心の動きを経験しながら、成長していきます。その時間が豊かで楽しいものなら、子どもは何度でもくり返し、絵本がどんどん好きになっていきます。

子どもの中に「絵本って楽しい」「本が好き」という気持ちが養われると、やがて本格的な読書を楽しむ土壌ができていきます。

②絵本は、大人が子どもに読んであげる本

子どもは、親や先生をはじめ身近な大人の「語りかけ」に愛情を感じます。それはわかっていても、忙しい日々の中で、じっくり子どもに語りかけるのは、なかなか難しいもの……。

そんな時、絵本が力を発揮します。親や先生の声で読んでもらう「絵本の言葉」は、そのまま子どもへの深い「語りかけ」になるからです。

信頼する大人の声に包まれて、愛情をたっぷり感じながら、子どもは安心して物語の世界──ちょっと怖かったり、ハラハラする展開があったり──に飛び込むことができます。

私たち大人は、ついつい「早くひとり読みさせたい」「字を覚えさせたい」と思ってしまいますが、絵本を読んであげていると、文字や読書への興味は自然と芽生えてきます。

大切なのは楽しむこと

ですから大人の皆さんも、子どもといっしょに絵本の世界を存分に楽しむ気持ちで、絵本のページを開いてください。

③子どもが好きな絵本は何回でも

「新しい絵本を次々に読んであげる(多読)のがよいのか、同じ絵本を何回も繰り返し読んであげるのがよいのか迷ってしまう」というお悩みがよく寄せられます。

子どもが楽しんでいる様子でしたら、冊数や回数にこだわる必要はありませんが、何度も「読んで」と言う絵本は、ぜひくり返し読んであげてください

大人でも、気に入った音楽を何度も聞いたり、好きな本を折に触れて読み返したりしますよね。それは子どもも同じ。大好きな人の声でその世界に浸ることは、子どもにとって、とても幸せな時間なのです。

同じ絵本をくり返し読んでもらうと、その絵本の言葉は子どもの中に息づき、いつしかその子自身の言葉になっていきます。

「新しい絵本にも出会わせてあげたい」と思うときは、子どもがそのとき興味を持っているものや、最近体験したことに関連したテーマの本を選んでみてください。その絵本が、次のとっておきの1冊になるかもしれません。新しい絵本との出会いは、世界を豊かに広げます。

④読みっぱなしでいい!

絵本を読み終えた後、子どもにあれこれ質問したり、感想を聞いたりしたくなっても、ぐっと我慢!

本を読んで余韻に浸っているとき、その内容についてテストのように質問されたら、大人だっていやですよね。1冊の本を読み終えた喜びや満足感を大切にしてあげてください。

子どもに目立った反応が見られなくても、実は心の中でいろいろ反芻していたり、結末をゆっくり味わっていたりすることもあるのです。

もし子どもの方から語りかけてきたり、質問したりしてきたときは、時間の許すかぎりつきあってあげてください。絵本の世界を共有できることも、子どもにとって、とても嬉しいことです。

▼絵本の選びかたのヒントはこちら

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【基本編】絵本選びのヒントになる4つのこと

子どもと絵本を楽しみたい! そう思って書店や図書館に足を運んでみたものの、あまりにもたくさんの絵本が並んでいて、どうやって選んだらいいのか、わからなくなってしまった経験はありませんか? この連載では、初めて絵本を手に取る方や、絵本選びに迷う方に向けて、絵本の楽しみかた・選びかたのヒントをお届けしま

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