絵本作家の簡単ごはん

ブタとホーレン草|甲斐信枝

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絵本作家のみなさんに、お気に入りのレシピを教えてもらいました。それぞれの家庭の定番料理から、旅先での忘れられない味を再現したものまで……作家たちの素顔が垣間見えるエピソードとともにお楽しみください。第7回は『雑草のくらし』などを手掛けた甲斐信枝さんです。

ブタとホーレン草

甲斐信枝

夕方、仕事の筆を置くなり「あぁくたびれた。さあ、おいしい夕飯を作るぞ」といそいそ台所に立ち、「仕事のストレス解消にはお料理が一番!」などとうそぶいていたのは昔のこと、いまではすっかり横着になって、「ああくたびれた。夕飯の支度? めんどくさい、またあれにしようか」というようになりました。あれとは、わが家の、通称「ブタとホーレン草」です。たったいま台所に立ったと思ったら「はい出来上がり」という、まことに簡単至極、お料理ともいえない料理ですが、お酒にもビールにも結構合います。お仕事をお持ちのお忙しい方、面倒くさがりやの方にお勧めいたします。

【材料】約4人分
・豚肉のうす切りか切り落とし・・・200~250g
 (脂身は少ない方がよい)
・ホーレン草・・・2束(約500g)
・日本酒・・・コップに半分強
・塩・・・少々
・化学調味料 or だしのもと・・・少々
・大根おろし・・・適量(好みによっては無くてもよい)
・ポンズ・・・適量
 (ホーレン草から甘味が出るので、甘味は無い方がよい。好みによっては無くてもよい)

© Masahiko Kai

【作り方】
火の通りをよくするため、豚は4~5センチの長さに切る。

洗ったホーレン草は、揃えて7~8センチの長さにザクザクと切り、茎と葉は別々に分けておく。

大きめの鍋を弱火にかけ、豚肉がこげつかないよう酒を敷く。熱くなったら、用意した豚肉の約半分強を、団子にならないように平たく並べる。豚肉の上にホーレン草の茎の部分を並べる。上から手早く残りの酒をふりかけ、同時に少量の塩と、好みで調味料をふる。ここで火を大きくしながら、

残りの豚肉を上に並べ、ホーレン草の葉っぱをどさっと入れる。そして更に火力を強めながら軽くかきまぜ、まんべんなく火を通す。葉っぱが生の色でなくなったら火を止める。最後にふたをして中身を蒸らす。

器に取り分け、大根おろし、ポンズをかけて出来上がり。

© Masahiko Kai

「ブタとホーレン草」は、味がたるまないよう手早く仕上げるのがコツ。ホーレン草からしみ出す汁と、豚肉と酒の煮汁との絶妙なうま味に頼って、ホーレン草をおいしく食べる料理です。好みによっては、ホーレン草の割合を多くし酒か水の量を増やして、おつゆをたっぷりにしてもおいしくいただけます。

この要領で、ホーレン草の代わりに白菜を使った「ブタとハクサイ」は、「ブタとホーレン草」のようなコクはありませんが、さっぱりとしておいしく、こちらは、おつゆを多めに仕上げる方がよいようです。

※「こどものとも年少版」2001年10月号折り込み付録より改題・再掲
※表記は掲載当時のままとなっています

\おいしそうな料理はほかにも…/

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