「えほんQ&A」は、読者のみなさまから寄せられた疑問や悩みにお答えする連載です。「子どもが同じ本ばかり読んでほしがる」「読み聞かせを最後まで聞いてくれない」など、気になるところはみんな同じ。絵本や読み聞かせを楽しむときの参考にどうぞ。
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読み聞かせをしていても、子どもがページをどんどんめくってしまったり、途中でどこかに行ってしまったり……自分で「読んで」と絵本を持ってきたのに、最後まで聞いてくれません。そんな時は読み聞かせを中断した方がよいのでしょうか?
読み聞かせを最後まで聞いてくれない、というのは、とてもよく寄せられるお悩みです。
まず、赤ちゃんの場合。
好きな場面ばかり見たがったり、途中で絵本を閉じてしまったりするのは、絵本に慣れていない赤ちゃんなら当たり前のことなので、気にしなくて大丈夫です! 赤ちゃんの反応に付き合っているうちに、自然と絵本を最後まで楽しめるようになっていくことが多いですよ。
子どもの好みが見えてきたら、その子の大好きなものが描かれている絵本を選んでみたり、最近体験したことにつながりのある内容の絵本を選んでみたりするのもおすすめです。子どもの興味と絵本の内容がすっと重なると、熱心に耳を傾けてくれるかもしれません。一方で、赤ちゃんの時期をすぎても、お気に入りの場面だけをずっと見ていたい子どももいます。「楽しみ方はいろいろ」とゆったり構えて、絵本の時間が子どもにとって自由で楽しいものになるようにしてあげてください。
子どもが途中でどこかに行ってしまう場合は、「気分がのらなかったのかな」と考えて、読み聞かせをやめてしまっても大丈夫です。ただし、その場から離れて聞いていないように見えて、耳はこちらに向いていることも。そういう時は、そのまま声に出して読んであげると、絵本の言葉が子どもに届きます。
また、大人が楽しそうに何かしていると、子どもが興味を示すことはよくあります。読み聞かせの場から子どもが離れてしまったら、その先を自分の楽しみとして読み続けてみるのはいかがでしょう。思わずくすっと笑いがこみあげた瞬間、子どもがのぞき込んでくるかもしれませんよ。
読み聞かせの途中で質問やおしゃべりが始まって先に進めない、とお悩みの方も多くいらっしゃいました。でも、そういう時、読んでもらっている子どもの頭は、フル回転しています。話したいことや伝えたいことがたくさんあるのだなと受け止めて、いっしょに考えたり、話し相手になったりしてあげてください。無理に先のページに進もうとすると、子どもの気持ちが置き去りになってしまうので、会話が落ち着いてから、次のページに進んでみるとよいでしょう。
絵本は必ず最後まで読まなくてはならないというものではありません。読み聞かせが子どもにとって楽しい時間になるように、おおらかに考えて大丈夫です。
(とものま編集部)
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