「えほんQ&A」は、読者のみなさまから寄せられた疑問や悩みにお答えする連載です。「子どもが同じ本ばかり読んでほしがる」「読み聞かせを最後まで聞いてくれない」など、気になるところはみんな同じ。絵本や読み聞かせを楽しむときの参考にどうぞ。
きょうだい一緒に絵本の読み聞かせをしていると、上の子が退屈そうだったり、下の子が邪魔をして最後まで読めなかったり……。
きょうだいに読み聞かせをする際の、絵本選びや読み方のコツはありますか?
きょうだいで一緒に楽しめる絵本がたくさんあれば、すぐに悩み解決! ……なのですが、きょうだいは年齢が異なるケースがほとんどですし、好みも違っていることが多いと思います。いっぺんに満足させるのは至難の業です。
そこで意識したいのは、読み聞かせの “基本” は「一対一」ということ。子どもが望む絵本を読んであげたり、読む速さを調節したり、ページをめくるタイミングを見計らったりするためには、「一対一」が理想です。でも、きょうだいがいると、「一対一」は難しいですよね。そういう場合におすすめしたいのが、きょうだいがそれぞれ選んだ本を、ひとりずつ、順番に読んであげる方法です。
最初に「今日は〇冊ずつね」と声をかけ、読む絵本と順番を決めます。そして「今は〇〇ちゃんの時間ね」「次に△△ちゃんの本を読むからね」と伝えてください。冊数が多い場合、下の子が順番を待てるようでしたら、交互に読んでいくのも選択肢になりますが、難しい時は、まず下の子が選んだ絵本をひと通り読んで、それから上の子が選んだ絵本に移るようにしてみてください。
絵本を読む時、その絵本を選んだ子に意識を集中するようにすると、「一対一」に近い状況がうまれます。そうすると、その子は愛情をしっかり受け取ることができます。順番を待っている子も、次は自分の番とわかっているぶん、気持ちが離れにくくなります。自分の番ではなくても、それとなく耳を傾けていられるようになると、読み聞かせの時間を通して、お互いの世界が広がっていきます。
多忙な日々の中、絵本を読めない日もたくさんあるでしょう。1冊ずつは無理だけど1冊ならなんとか……という日もあると思います。そういう時のために、きょうだいが一緒に楽しめる絵本も、少しずつ見つけておくと助けられます。興味が重なっているものが登場する絵本が突破口です。好きなものなら内容がちょっと簡単、あるいはちょっと難しくても、好奇心が引っぱってくれます。
(とものま編集部)
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