2025年3月に休刊となった雑誌「母の友」に、「こどもに聞かせる 一日一話」という人気企画がありました。子どもにさっと読んであげられる短いお話を、一挙にまとめて掲載するものです。
その「一日一話」を「とものま」で再開します。季節ごとに7話ずつ、とびっきりのお話をお届けします。
はるです。とりの ぴーたろうが あたらしいおうちに ひっこしてきました。もじゃもじゃの木のうえ3ちょうめです。
ぴーたろうは いえの なかの にもつを ととのえて、あたらしく かわないと いけないものを しらべました。
「れいぞうこは かった。せんたくきは かった。あ、とけいを かわなくちゃね。あとは あ、……せんぷうき!」
ぴーたろうは せんぷうきを かいに ピーチクパーチクでんきてんへ いきました。おみせの なかに はいって せんぷうきコーナーへ いくと、いっぱい あります、せんぷうき! おおきいのから ちいさいの、すずしいのから すずしくないのまで。ぴーたろうは すずしいのを えらびました。
「てんいんさん。このせんぷうきを ください」
「ありがとうございます。おきゃくさま おめが たかい。このせんぷうき、すずしいんですよ。それに いま せんぷうきを かってくださった おきゃくさまは くじが ひけます」
わーい くじびき たのしそう。くじびきの けいひんには、せんぷうきの 絵が かいてある うちわとか、せんぷうき ぐるぐる キャンディーとかが あります。

ぴーたろうが くじびきの ガラガラ──あの 木のはこが かんらんしゃみたいに まわって なかに いろいろな いろの たまが はいっているやつ──を まわすと きんいろの たまが ぽいと でました。
「おめでとうございます! 1とうしょうの せんぷうきがた とけいです!」
「わーい 1とうしょう! それに とけいも かわなくちゃいけなかったから ちょうどいいや」
ぴーたろうは せんぷうきと せんぷうきがた とけいを かかえて よろこんで いえに かえると、さっそく とけいを うごかしはじめました。
せんぷうきがたの とけいは せんぷうきを すこし ちいさくしたくらいの おおきさで、せんぷうきの まるいふちに とけいらしく 1から12までの すうじが かいてあって、せんぷうきの はねが とけいの はり、ということに なっています。
さあ ぴーたろうが とけいの おしりに でんちを いれました。すると とけいの はりが うごきだしました。でも なんということでしょう。とけいの はりが せんぷうきみたいに ぷいーーーんと まわりつづけるので、いま なんじなんぷんなのか まったく わかりません。

ぷいーーーん。
「へんなもの もらっちゃったなあ。ちゃんとした とけいを かいにいかなくちゃ」
ぴーたろうは こんどは とけいを かいに クルッポーとけいてんへ いきました。ちゃんとした とけいが いっぱい あります。
「よかった。てんいんさん、このとけいを ください」
「ありがとうございます。おきゃくさま おめが たかい。このとけい、ちゃんとしております。それに いま とけいを かってくださった おきゃくさまは くじが ひけます」
「わあ、まただ」
ぴーたろうが くじびきの ガラガラを おそるおそる まわすと、ちゃいろの たまが ぽいと でました。
「ざんねんでした。10とうしょうの とけいがた せんべいです」
「わーい、せんべい うれしいです」
ぴーたろうは よろこんで せんべいを うけとると さっそく かじりました。すると かたい! このせんべいの どこが とけいがた なのかというと、かじると かたくて カチ コチ カチ コチ。
ぴーたろうは また へんなものを もらっちゃった。
でも あじは おいしかったそうです。
(おしまい)
◆子どもと一緒に挿絵を見ながらお楽しみになる方は、こちらからPDFのファイルをダウンロードの上、出力してお楽しみください。 ※個人利用に限ります。

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