季節の本を楽しみたい! そう思っていても、あわただしく過ごしていると、あっという間に、もう次の季節……。それなら少し余裕をもって、準備を始めてみませんか?
この連載では、子どもたちに本を手渡しつづけている東京子ども図書館の皆さんに「来月のおすすめの本」をご紹介いただきます。8月のおすすめを教えてくださるのは、林直子さん。さあ、8月はこれ読もう!
暑い暑い夏が続きますね。暑さの中でも楽しく過ごすためのヒントが、本の中にはいろいろありそうです。海へ行くもよし、冷たいものを食べるもよし、それに、何かゾーっとするものを見るのもよいかもしれませんよ。
暑い夏を楽しみつくしましょう!
スズキコージ 作 / 福音館書店 / 幼児から

とっても暑い日、うまのはいどうさんは、急いで電車に乗ったので駅のホームに帽子を忘れてしまいました。それを拾ったきつねのとりうちくんは、トイレに籠を忘れてしまい、籠を拾ったぶたの三吉は……。と、動物たちが次々に忘れ物と拾い物をくり返して、おかしなお話が続いていきます。
表紙や見返しの太陽の絵がギラギラとしていて、見ているだけで暑苦しいような絵(!)ですが、とぼけた動物たちの表情が、お話をいっそうおかしく見せてくれます。とっても暑い日に出かけることになったら、こんなふうにふしぎなことが起きないか、ソワソワしてしまうかもしれませんね。
川端 誠 作 / BL出版 / 幼児から

お化け屋敷に、たくさんのお化けが住んでいます。ある真夏の日、三つ目の大入道が「今年の夏は、なんでこう暑いんだ」とぼやき、一つ目小僧たちは元気に虫取りへ出かけました。ろくろっ首は果物屋でスイカをまけてもらい、風呂あがりにはみんなで流しそうめん……。お化けたちが次々と出てきて、昔ながらのやり方で夏の一日を過ごします。
みなさんはどのお化けが好きですか? お座敷で宿題をしたり、縁側でスイカを食べたり。人間そっくりに暑い日を過ごしているお化けたちなので、読んでいる私たちの方も、お化けの仲間になった気持ちで楽しめます。
細島雅代 写真 伊地知 英信 文 / 岩崎書店 / 小学生から

なんておいしそうなかき氷! でも、かき氷を削る前の、あの大きくて透明な氷はどうやって作られるのでしょう。
埼玉県の長瀞(ながとろ)という場所で三代続く阿左美(あさみ)冷蔵は、家族で伝統の方法を守り、「天然氷」を作っている氷屋さん。その作り方は、冬、山すその「氷池(ひいけ)」に伏流水をため、落ち葉をすくったりして手入れをしながら、池全体が凍るのを待つというもの。出来上がった氷はのこぎりで切り出して、夏まで氷室で保存するのです。
山で氷を作る仕事があるなんて、驚きます。阿左美さんは一家でずっとその仕事をしてきました。20年かけて撮られた写真から、ひんやりとした天然氷の美しさと、一緒に働く家族のぬくもりが伝わる写真絵本です。
≪幼児から≫
④『うさこちゃんの てんと』 ディック・ブルーナ 文・絵 まつおか きょうこ 訳 / 福音館書店
小さいうさぎの女の子、うさこちゃんのシリーズです。今日はいい天気。お母さんに手伝ってもらって、大喜びで庭にテントを出すうさこちゃん。中に入って遊ぶのです。サンドイッチを食べた後は、ビニールプールで水遊びもしましたよ! この本を一緒に読んだ後は、まねをして、同じように遊びたくなりますね。手に取りやすい小型サイズの絵本で、はっきりした線と色はごく小さい子も楽しめます。

⑤『ぐりとぐらのかいすいよく』 なかがわ りえこ 文 やまわき ゆりこ 絵 / 福音館書店
野ねずみのぐりとぐらは、波打ち際に流れ着いたビンを拾いました。中には「しんじゅ・とうだいへきてください」という、うみぼうずからの手紙が! 地図をたよりに、ぐりとぐらが浮き袋をつけて波にゆられていくと……。 みんなの大好きなぐりとぐらが、海へ冒険に行きます。泳ぎの名人、うみぼうずはどんな泳ぎをするのでしょう。2匹が習った泳ぎも見ものです。海をたっぷり楽しんだ気分になれますよ。

⑥『ガンピーさんのふなあそび』 ジョン・バーニンガム 作 みつよし なつや 訳 / ほるぷ出版
ガンピーさんは川のそばに住んでいて、舟を一艘(いっそう)持っています。ある日ガンピーさんが舟で出かけると、子どもやウサギ、ネコ、ブタやヒツジまでが次々乗りたがります。ガンピーさんはそのたびに、「いいとも、お行儀よくするならね」、と乗せてやりますが……。抑えた色調の柔らかなタッチの絵で、なんとものどかな舟旅の様子が伝わります。もちろん、思った通りの事件になりますがね。

⑦『かみなり』 妹尾 堅一郎 監修 音羽電機工業「雷写真コンテスト」協力 / ポプラ社
強い日差しが照りつける、蒸し暑い夏の日。急に黒い雲が広がり、今にも雨が降りだしそうになると、ピカッ! ゴロゴロ……! ちょっとこわい、あの雷の正体とは何でしょう? 空にひらめく雷の、一瞬一瞬をとらえた大迫力の写真が、自然の美しさを伝えます。2003年より毎年開催されている「雷写真コンテスト」から厳選された写真を集めて作った写真絵本。巻末には雷の仕組みや、危険から身をまもる方法も載っています。

≪小学生から≫
⑧『ねこのオーランドー 海へいく』 キャスリーン・へイル 作・画 小沢 正 訳 / 童話館出版
マーマレード色の縞猫オーランドーは5人家族。馬のバルカンの誘いで、彼の家族とともに総勢8人で海辺へ避暑に出かけます。母猫グレイスがおぼれかけたり、子猫が買ってもらった凧で一家全員吹き飛ばされたり、オーランドーが難破船を助けたり、次から次へと事件がおこって……。まるで人間のように休暇を過ごすオーランドーやバルカンの家族たち。大判の絵本で、たっぷり絵が楽しめます。家の中の様子やとりどりのファッションも凝っていて、隅々まで楽しめます。

⑨『すばらしいとき』 ロバート・マックロスキー 文・絵 わたなべ しげお 訳 / 福音館書店
「……小島のつらなりの上で、みてごらん、世界のときがゆきすぎる……季節から季節へと」アメリカ・メイン州の小島で一緒に暮らす娘たちに、春から夏の終わりの「すばらしいとき」を父親が語ります。 ヨットに乗ったり海に飛び込んだり、こんなにたのしい暮らしをする子どもたちもいるのだなあ、とうらやましくなります。ところが、ひとたび嵐が来ると島の景色は一変するのです。ゆったりした自然の美しさを味わいたい1冊です。

⑩『どうくつをたんけんする』 堀内誠一 作 / 福音館書店 ※品切れ
「夏休みに、洞窟を探検に来ませんか?」ぼくは洞窟研究所の先生に案内されて、先生の家のみよちゃんと3人で鍾乳洞を探検することに。鍾乳石の下をくぐり、川に入って進み、その先に見た地面の下の世界は、月のような、宮殿のような、不思議な光景でした。洞窟の内部を見せる科学絵本です。石筍(せきじゅん)や石柱のでき方、洞窟の生物、世界にどんな洞窟があるか、などをわかりやすく説明します。神秘的な地下世界の様子が伝わって、冒険心をかき立てられます。

来月は これ読もう!
あの人の ほっとするとき ほっとするもの
絵本のとびらを開いたら
えほんとわたし
こどものとも70周年
絵本の選びかた
こども時代、どう生きる!?
えほんとわたし
えほんとわたし
来月は これ読もう!
絵本のとびらを開いたら
えほんとわたし
絵本のとびらを開いたら
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