「えほんQ&A」は、読者のみなさまから寄せられた疑問や悩みにお答えする連載です。「子どもが同じ本ばかり読んでほしがる」「読み聞かせを最後まで聞いてくれない」など、いつだって悩みはつきないもの。絵本や読み聞かせを楽しむときの参考に、どうぞご覧ください。
子どもは絵本が大好きで、読み聞かせの時間になると、たくさん持ってきますが、全部読もうとすると夜寝るのが遅くなってしまいます。どうやって読み聞かせを切り上げたらよいでしょう?
夜寝る前の読み聞かせは貴重な時間ですが、いつまでも切り上げられないと、ストレスになってしまいますね。また、読み手も人間ですから、望むだけ読んであげたいと思っても、限界があります。読み聞かせを無理のない楽しい時間にするために、前もって冊数を決めておくのはいかがでしょう?
まず、無理なく読んであげられる冊数を検討し、「夜寝る前に読むのは〇冊ね」と子どもに伝えておきます。限られた冊数ですから、本は子どもに選ばせてあげてくださいね。童話の場合は1章を1冊分とするなど、ルール決めも必要です。子どもは寝る前の読み聞かせの時間を目いっぱい楽しむため、自分がいちばん満足できる本を一生懸命選びます。
ちなみに、読んでもらう冊数が減ると、お気に入りの本ばかり選ぶようになりがちです。でもそれは、その子が眠りにつく前に幸せな気持ちになれる、とびっきりの1冊ですから、尊重してあげましょう。いろんな絵本との出会いも大事に考えるなら、余裕のある日や週末など、+αで読んであげられる時に、「これも読んでみよう」と声をかけ、広げていってくださいね。
冊数を決めると、子どもが長い文章の本ばかり持ってきそう……と心配な方は、冊数ではなく、読み聞かせを終える時間を決めておくのもおすすめです。その際、意識していただきたいのは、読み始めた絵本はなるべく最後まで読む、ということ。途中でやめてしまうと、子どもは満足できません。終わりの時間が近づいたら、無理なく読み切れるボリュームの本を最後は一緒に選ぶなど、工夫してみてください。
子どもとの約束ですから、決めた冊数や時間はできるだけ守るようにしましょう。「〇冊は読んでもらえる」(あるいは、この時間までは読んでもらえる)という安心感が揺らいでしまうと、子どもは本に集中できなくなります。──とはいえ、どうしても難しい日はありますから、そういう時は、読んであげられない理由をちゃんと言葉で伝えてあげてください。
毎晩たくさん読んでもらっていた子の場合、いきなり冊数が減ると、もっと読んでほしくて、ぐずってしまうこともあります。そういう時は、決まった冊数を読んだ後、すこし会話を続けることをおすすめします。本の話である必要はありません。穏やかな気持ちで、ゆったり話せる内容であれば、どんなことでも。そうすると、「もっと読んでほしい」という気持ちが紛れますし、淋しさも和らぎます。すこし時間はかかっても、子どもは遊びの天才ですから、決められた冊数や時間のなかで最大限に楽しむ方法を見つけていきますよ。
寝る前の読み聞かせが、子どもにとっても、読み手の大人にとっても、幸せな時間でありますように…!
(とものま編集部)
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