えほんQ&A

Q1 同じ本ばかり読んでほしがるのはなぜ?

絵本 |
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「えほんQ&A」は、読者のみなさまから寄せられた疑問や悩みにお答えする連載です。「子どもが同じ本ばかり読んでほしがる」「読み聞かせを最後まで聞いてくれない」など、気になるところはみんな同じ。絵本や読み聞かせを楽しむときの参考にどうぞ。

Q 同じ本ばかり読んでほしがるのはなぜ? 

子どもがいつも同じ本を読んでほしがります。親としては、いろいろな絵本を読んでほしいのですが……同じ本ばかり読んでいても大丈夫なんでしょうか?

A 何度も味わいたい「特別な1冊」に出会えたということ!

大人の読み方と、子どもの読み方は、実は全く違います。子どもは読んでもらって「楽しい」と感じると、その「楽しい」をもう一度味わいたいと思います。だから好きな絵本は何度でも体験したいのです。子どもが同じ本を持ってくるときは、くり返し味わいたい「特別な一冊」に出会ったのだと受け止めて、できるだけ読んであげてください。大人も、好きな音楽は何回でも聴きたくなりますよね。それと同じです。

お気に入りの絵本を読んでもらうと、いつでも大好きな世界に入りこむことができる──その幸福感と安心感を想像してみてください。くり返し楽しみたい絵本に出会えたということは、その子にとって幸せでいられる場所、安心できる場所がひとつ増えたということでもあるのです。

子どもは、絵本に登場するものに気持ちを重ね、ひとつの物語を何度も楽しみながら、まるで自分自身が体験しているかのように、物語の世界に深く入り込んでいきます。物語の体験が子どもたち自身の体験になり、絵本の言葉が子どもたち自身の言葉になっていきます。

「1冊の絵本を何度もくり返し読むのと、いろんな絵本を読むのと、どちらがいいの?」という質問もよく寄せられますが、好きなものを何度も味わいたい子もいれば、新しい扉をどんどん開けていく子もいます。ひとつの世界を深く味わうことにも、さまざまな世界に出会うことにも、大きな意味があるので、どちらが正解というわけではありません。子どもがその時間を楽しめているなら、どちらも素敵なことなのです新しい絵本を次々に読んでほしがる場合は、その時々の興味や関心に寄り添うものを読んでいくことで、その子の世界が広がります。

絵本の楽しみ方は、成長とともに移り変わっていくので、子どもの様子を見守りながら、読み聞かせの時間を楽しんでください。

(とものま編集部)

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