「えほんQ&A」は、読者のみなさまから寄せられた疑問や悩みにお答えする連載です。絵本や読み聞かせを楽しむときの参考に、どうぞご覧ください。
仕事や家事で忙しく、なかなか読み聞かせの時間が取れません。子どもは楽しみにしているので、罪悪感でいっぱいになります。
仕事や家事に追われていると、一日はあっという間に過ぎていきます。子どもの寝顔を見ながら、「今日も絵本を読んであげられなかった」と胸を痛めている方は多いのではないでしょうか。
子どもに本を読んであげたいと願っていても、その時間が取れないとしたら、それはやむを得ない状況なのかもしれません。生活の糧を得るために私たちは仕事をしなければなりませんし、日常生活を送る上でも、やらなければならないことはたくさんあります。そこで無理をして毎日読み聞かせをしようとしても長くは続きませんし、無理がたたって体を壊してしまったら子どもも悲しみます。
時間を取れないときは無理をせず、できるときに読んであげる──そんな心持ちでいてくださいね。まとまった時間をつくる必要はありません。5分でも、10分でも、心の通いあう豊かな時間を過ごすことはできます。
それから、読み手の気持ちは子どもに伝わります。読み手がほかのことに気をとられていたら、子どもは安心して本の世界に入り込めません。大切なのは、短い時間であっても、読み手が子どもと一緒に楽しむ気持ちをもっていること。そうして初めて、子どもにとっても、親にとっても、心地のよい時間が生まれます。
そのためのポイントを、いくつか挙げてみます。
◆ 読む冊数を伝えておく
短い時間で読み聞かせをするときは、前もって子どもに読む冊数(あるいは時間)を伝えておくことをおすすめします。そうすると、子どもはその条件の中でどうやったら満足できるかを一生懸命考えます。冊数を伝えておかないと、楽しい時間が急に打ち切られることになりますから、悲しさの方が勝ってしまうかもしれません。
◆ 長い絵本を持ってきた場合は?
子どもが「これよんで」と本を持ってくると、親は応えてあげたくなります。でも中には、楽しい時間をちょっとでも長引かせようと、ページ数の多い絵本ばかり選んで持ってくる子もいます。そういうときは、「この絵本は長くて今日は読み切れないから、お休みの日にゆっくり読もうね」と、子どもの気持ちを受け止めながら、短めの絵本を一緒に選びましょう。
◆ ほかの人の力も借りる
また、読み聞かせは親でなければできないというものではありません。親が読んでくれると、もちろん子どもは喜びます。でも、祖父母や年上のきょうだい、園の先生をはじめ、子どもを取り巻くさまざまな人がかかわることで、絵本の世界は広がっていきます。そう考えると、気持ちがすこし楽になってきませんか?
あなたが忙しい日々を送っているなら、読み聞かせの量を増やそうとするのではなく、短くてもその時間が豊かなものになるように考えていきましょう。
──短くても大丈夫、その時間を子どもと一緒に楽しんで。
(とものま編集部)
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