行ってきました!

≪行ってきました!≫ 東京・立川 PLAY! MUSEUM「生誕100周年記念 安野光雅展」

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『旅の絵本』や『ふしぎなえ』をはじめ、数々の絵本を生み出してきた安野光雅さん。安野さんの生誕100周年を記念した「生誕100周年記念 安野光雅展」が2026年3月4日から、東京・立川市のPLAY! MUSEUMで始まりました(会期は5月10日まで)。貴重な原画約 130 点がずらり、さまざまな仕掛けを通じて作品に込められたメッセージを体感できる展覧会に、編集部・Oがお邪魔してきました!

東京・立川PLAY! MUSEUM「生誕100周年記念 安野光雅展」

PLAY! MUSEUMは、JR立川駅から北へ 10 分ほど歩いた場所にあります。緑に囲まれた広大な敷地内にカフェや雑貨店などが並ぶ複合施設「GREEN SPRINGS」内にあり、散策も楽しい場所。晴れた日には、ミュージアムの前にある芝生広場やベンチでくつろぐのも気持ちのよい場所です。

『ふしぎなえ』の原画に引き込まれて…

細長い木材を施した壁が印象的なエントランスを抜けて展示スペースに入ると、さっそく『ふしぎなえの原画が飾られていて、“安野ワールド” へと引き込まれます。安野さんの絵本デビュー作であるこの作品は、階段を上っていたはずが下の階にいたり、天井と思っていたら床だったり……。エッシャーに触発されて描いた「だまし絵」のみで構成された文字のない絵本として、当時も注目されました。

『ふしぎなえ』安野光雅 作/福音館書店
 
『ふしぎなえ』より。階段を上っていたはずなのに……

そのお隣には、ジョーカーがトランプの国を案内する『さかさま』や、真夜中の机の上で繰り広げられる小人たちのサーカスを描いた『ふしぎな さーかす』の原画も。鑑賞する人たちは、顔を傾けたり、細部にじーっと目を凝らしたり。安野さんが仕掛けた空想の世界へ分け入っていく気分です。

絵本の世界に入り込める!? 撮影コーナー

さらに進むと『おおきな ものの すきな おうさま』(講談社)の原画と、作品の1場面をイメージした大きなお皿とフォーク、ナイフが。お皿には2つの穴が開いていて、顔を出して撮影できるようになっています。ひとりだったので勇気を出せませんでしたが、友達や家族と撮影したら盛り上がりそう! 

『もりのえほん』で動物探し!

展示室のなかには、絵本の絵でも、一枚で飾っておける完成度で描いていたという 安野さんの絵の魅力を実感できる「絵画館」と名付けられたスペースが。細密な絵のなかにいくつもの動物が隠れている『もりのえほん』の原画の前では、「あ、カエル!」「クマもいる」と動物探しに熱中する親子の姿もありました。

『もりのえほん』安野光雅 作/福音館書店
 
『もりのえほん』より。このなかにウマやヒョウが……さてどこでしょう?

安野さんと言えば、絵本作家や画家としてだけでなく、大の読書家で、名エッセイストとしても知られています。会場には、「自分の心で感じて、自分で発見すること、未知のものに想像をめぐらすことは、心の中をとても豊かにしてくれました」といった言葉をはじめ、随所に安野さんの言葉が展示されているのも魅力です。作品を観て感じたことと、安野さんの言葉が混ざり合うことで、さまざまな感情が浮かび上がってくる、そんな特別な感覚を味わいました。

『旅の絵本』は全10冊。中部ヨーロッパ、イタリア、イギリス、アメリカ……日本もあります!

“旅人” 気分を味わえる! 拡大された『旅の絵本』

楕円形の展示室に展示されているのが『旅の絵本』。安野さんがヨーロッパを旅したときに、着陸間際の飛行機から見えた風景に着想を得て、1977年に誕生した作品です。

鳥瞰図のような絵には遊び心がいっぱい! あの物語の主人公や、あの有名人もいますよ。全点展示のイギリス編の原画の中にビートルズの姿を見つけて、「マッカートニーはちゃんと左利きだね」と話す男性の姿も。あらためて安野さんが描く世界のきめ細やかさ、そして原画の発色の美しさに圧倒されます。

さらに奥に進むと、壁面に、高さ3m、幅50mにわたって拡大された8つの場面が。さまざまな窓の形がくり抜かれた白いスクリーンの内側に入ると、着陸間際に安野さんが見た風景を追体験しているかのよう。床には『旅の絵本』のアニメーションも流れ、絵本の中の “旅人” の気分に浸りました。

仕掛けが満載で、気づけばあっという間に時間が過ぎていました。たっぷり堪能した後、出口付近に飾られた、笑顔の安野さんの写真パネルに「どうだった?」と聞かれているよう。

展示スペースを出てもまだまだ安野ワールドは続きます。グッズ売り場には、『ふしぎなえ』がデザインされた、生誕100周年記念の絵皿やTシャツ、トートバッグなどの限定グッズの数々が。図録や絵本の販売も。どれも素敵でついつい目移りしてしまいます。館内のカフェでは展覧会に合わせたフードやスイーツも楽しめますよ!
 

*出版社名の記載ない本は、すべて福音館書店刊

展覧会の情報はこちらから

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