「えほんQ&A」は、読者のみなさまから寄せられた疑問や悩みにお答えする連載です。絵本や読み聞かせを楽しむときの参考に、どうぞご覧ください。
生まれたばかりの赤ちゃんがいます。絵本を読んであげたいのですが、いつごろから楽しめるようになりますか?
子どもが絵本というものに反応を示すのは生後4か月ごろからと言われます。個人差はありますが、この時期になると、目の前の絵本に焦点を合わせて認識できるようになることがわかっています。(参照:読み聞かせはいつから楽しめる? 子どもの発達と絵本の関係性|秋田喜代美先生①)
ただ、子どもの反応が顕著になるのは、生後9~10か月ごろから。この時期になると、子どもは誰かと一緒に同じものを見ることができるようになっていき、ものを指さして人に何か伝えようとすることもはじまっていきます。絵本の読み聞かせにあてはめると、同じ絵本を見ながら、コミュニケーションをとれるようになっていくということ。ですから読み聞かせをはじめる時期として、生後10か月ごろは、ひとつの目安と考えられます。
最初のうちは目に見える反応が少ないため、子どもが喜ぶ姿を想像して読み聞かせをおこなうと、手応えのなさにがっかりしてしまうかもしれません。でも、早まって「うちの子は絵本に興味がないみたい…」と考えないでくださいね。反応は薄くても、子どもにとっては「いっしょに同じものを見ている」「自分に語りかけてくれている」ということに大きな意味があります。そういう時間のなかで、愛着や信頼が育まれていきます。(参照:こどもの自立に欠かせない「愛着」、読み聞かせとの関係とは?|和歌山大学教育学部 米澤好史先生①)
子どもが小さいうちは、絵本をはじめからおわりまで読み通す必要はありません。数ページをいっしょに楽しむぐらいの気持ちで十分です。おもちゃと同じように、絵本をなめたり、かじったり、放り投げたりもしてしまいますが、だんだん自分でページをめくったり、好きな絵を指さしたりするようになります。
また、生後10か月より早い時期でも、わが子にどんな言葉をかけたらよいか悩ましく感じている方がいらっしゃったら、絵本を開いてみてください。そして絵本の言葉で語りかけてみてください。赤ちゃん向けの絵本の多くは、リズムのある繰り返しの言葉で綴られていて、声に出して読むと耳に心地よく響きます。その語りかけを通して、愛情が伝わり、安らぎが生まれます。
──ここまで子どもの発達という視点から、読み聞かせをはじめる時期についてお答えしてきましたが、子どもの成長は個人差が大きいため、あくまでひとつの目安とお考えください。また、読み聞かせは必ずこの時期からはじめなければならないというものではありません。何才からはじめても、遅すぎるということはないものです。あなたが読んであげたいと思ったそのときが、はじめるタイミングです。
(とものま編集部)
◆ 年齢に寄り添った絵本の選び方については、こちらをご参照ください。
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