いそがしい日々のなかで、ほっと一息つきたいとき、どうしていますか? この連載では、気になるあの人に「ほっとするとき ほっとするもの」をうかがいます。
第 14 回は、月刊絵本「こどものとも」2026年9月号『はいたつやのスピック』の絵を担当された、イラストレーターの嶽まいこさんです。

かれこれ何年コーヒーを飲んでいるだろう。
20 年前だろうか、夫の実家でいただいたコーヒーがとても美味しくて、それ以来ずっと飲んでいる。好きなのはホットのブラック。真夏であっても、汗をかきながら熱いコーヒーをすする。仕事場はもちろん、ちょっと緊張する異国の地でも、コーヒーを一口飲むだけでほっとして、いつもの自分を取り戻すことができるので欠かせない。
とはいえ1日にガブガブ何杯も飲んで気持ち悪くなることもあり、昨年デカフェのコーヒーデビュー。するとどうだろう、朝の目覚めが全然ちがう。胃の調子もいい気がする。これはいい。しかし “ほっ” と度こそ変わらないが、そのあとの「よしやるぞ」という気持ちのブーストには、やっぱりカフェインは必要だと思う。

我が家には2匹の猫がいる。14歳の老猫「だいふく」(左)と1歳の元気な猫「つき」(右)。性格はほとんど正反対で、だいふくはツンデレ、つきは甘えん坊。
家の中で猫たちを眺めるたび、なでるたび、名前を呼ぶたび、ほっとすると同時にじーんとしあわせな気持ちになる。落ち込んだり、ちょっと大変なことがあっても猫たちのおかげで頑張ろうという気持ちが湧いてくるので本当にかけがえのない存在だ。
願わくはこの家が猫たちにとってもほっとできる環境であってほしいと、各部屋にたくさんの猫スペース(猫ベッド、かご、猫専用と化した椅子などなど)が設置されている。用意したとて、なぜそんなところに……というような場所に挟まったりもしているが、各々お気に入りの場所があるのかなと思うとうれしい。

石川へ移住してから、休日に夫と車で出かけるようになった。自分が住む金沢周辺には温泉施設が多い。温泉好きの夫に付き合っているうちにその魅力を知り、最近は日々の癒しを求めて週に一度ほどのペースで通うようになった。少しずつこういうたのしみが増えるのはいいものだ。
夫婦揃ってお気に入りの温泉があるのだが、そこの露天がすばらしく、5月には気持ちよく飛ぶつばめ、秋には目の前の山々の紅葉、冬は真っ白な雪山を眺めることができる。夕暮れ時は空のグラデーションが、夜は星空がきれい。そんな景色の中で湯に浸かり、とりとめもなく仕事のこと、日常のことを考える時間が好きだ。ぱっとアイデアが浮かぶのは、だいたいこんなふうにぼーっと考えている時の方が多い気がする。
道中は自然も多いので、季節のうつろいを感じながらのドライブも気分がいい。
すっきりリフレッシュすれば、今日もまた前向きな気持ちで明日を迎えられる。
文・絵・写真 嶽まいこ

「こどものとも」2026年9月号『はいたつやのスピック』
*
今月の「とものま」
来月は これ読もう!
あの人の ほっとするとき ほっとするもの
こどもに聞かせる 一日一話
絵本の選びかた
えほんとわたし
えほんQ&A
わたしの限界本棚
母の気も知らぬきみ
あの人の ほっとするとき ほっとするもの
母の気も知らぬきみ
わたしの限界本棚
わたしの限界本棚
母の気も知らぬきみ