子どもに読んであげられる短いお話を、季節ごとに7話ずつお届けする「一日一話」。眠る前のひとときや、電車移動の時間など、さまざまなシーンでお楽しみください。 ※見開きの形に整えたPDFをページ後半に用意しています。絵を見せながら読んであげたい方は、こちらをプリントしてお使いください。
コットンは、きれい好きな白い犬です。
今日もパリッとした服をきて、ともだちの黄色い猫のサフランの家へあそびにいきました。

コンコン。
コットンが戸をたたくと、サフランが戸口から顔を出しました。
「あれ? コットン、どうしたの?」
「あそびにきたんだよ。今日はあそぶ約束の日でしょう?」
コットンが言うと、サフランは首をひねりました。
「今日だった? 今日だっけ? あしたじゃない?」
「今日だよ、ぼく楽しみにしてたんだから!」
そう言って、家に入ったコットンはおどろきました。家のなかはどこもかしこも、ものだらけ。いろんなものがちらかって、足のふみ場もないありさまです。

鏡の前には服がいっぱい。ぼうしも、くつも、マフラーも。目をまるくしたコットンに、サフランが言いました。
「コットンとあそぶとき、おしゃれをしたくてなやんじゃった」
台所は洗いものでいっぱい。おなべに、ボールに、はかりに、たまごのからも。もっと目をまるくしたコットンに、サフランが言いました。
「コットンとあそぶとき、クッキーを作ろうとおもって練習中!」
本棚のまわりは本がいっぱい。つみあげたり、かさなったり、ひらいていたり。ますます目をまるくしたコットンに、サフランが言いました。
「コットンとあそぶとき、いっしょによむ本をさがしたけど、見つからなかった」
コットンはかばんから本をとりだして言いました。
「さがしていた本は、これかな?」
「そう、この本だよ! コットンがもっていたんだね」と、サフランはよろこびました。
「この本はね、サフランがぼくにかしてくれたんだよ」と、コットンがまじめな顔をして言うと、
「そうだった? わたしって、なんでもわすれちゃうなあ」とサフランは笑いました。
ふたりは夕方までたのしくあそび、さいごに家の中をかたづけました。きれい好きのコットンのおかげで、サフランの家はピカピカになりました。
コットンは床に落ちていたカレンダーを見つけて、壁にかけました。そして、カレンダーに、大きなまるいしるしを見つけました。まるの下に〈こっとんとあそぶひ〉と書いてあります。 まるがついているのは、あしたの日付でした。

コットンはもじもじして言いました。
「サフラン、ぼく、約束の日をまちがえたんだね。約束はあしただったよ」
「ほんとだ! でも、今日もたのしくあそべてよかった!」とサフラン。
「ぼくたちって、なんでもわすれちゃうなあ」と、コットンが言うと、 ふたりはおかしくなって笑いました。
帰りぎわ「さようなら!」と、コットンが手をふると、「またあした!」と、サフランも手をふりました。
「あした?」コットンがふりかえると、サフランは言いました。
「わたしたち、あしたもまたあそべるね! だってあしたは約束の日だよ。カレンダーに書いてるもん」
「うん、ぼく、今日とあしたをまちがってよかったなあ!」
ふたりはうれしくなって、また笑いました。
「あしたもたのしみ!」と、サフランはまた手をふりました。
「うん、あしたもたのしみ!」と、コットンもまた手をふりかえしました。
おしまい

◆子どもと一緒に挿絵を見ながらお楽しみになる方は、こちらからPDFのファイルをダウンロードの上、出力してお楽しみください。 ※個人利用に限ります。

今月の「とものま」
来月は これ読もう!
絵本のとびらを開いたら
こどものこころの保健室
えほんとわたし
こどものとも70周年
えほんとわたし
親の知らない 子どもの時間
手から手へ 松居直の社内講義録
こどもに聞かせる 一日一話
親の知らない 子どもの時間
親の知らない 子どもの時間
こどものこころの保健室
こどものこころの保健室