子どもに読んであげられる短いお話を、季節ごとに7話ずつお届けする「一日一話」。眠る前のひとときや、電車移動の時間など、さまざまなシーンでお楽しみください。 ※見開きの形に整えたPDFをページ後半に用意しています。絵を見せながら読んであげたい方は、こちらをプリントしてお使いください。
5匹のリスの兄弟が、林の中へ栗拾いに行きました。
「大きい栗を見つけたぞー」
お兄ちゃんリスが言いました。
「私のは小さいけど、きっと甘い栗よ」
大きいお姉さんリスが言いました。
「ぼくの栗は、つやつやしている」
大きいお兄さんリスが言うと、
「私なんか、もう3つも拾ったもん」
お姉ちゃんリスが言いました。
みんなが自分の栗を自慢しあっていると、
「ほら見て! この栗、ぷっくりおいしそうだよ」
小さいすえっこリスも、きれいな栗を見つけてきました。

「どれどれ・・・軽いぞ」
お兄ちゃんリスが言いました。
「これは中が空っぽだよ」
大きいお兄さんリスも言いました。
「あら、残念」
お姉ちゃんリスが言いました。
「こんどから、重いのを拾いなさいね」
大きいお姉さんリスも言いました。
「ちぇっ。せっかく、いい栗を見つけたと思ったのに」
すえっこリスは悔しくて、空っぽ栗をぽーんと蹴っ飛ばしました。栗はぐーんと飛んで、ころころ転がりました。
「うわぁ、おもしろい!」
「ボールにぴったりの栗だぞ」
「いい栗を見つけたね」
お姉さんお兄さんたちにほめられて、すえっこリスはうれしくなりました。転がる栗を追いかけて、ぽんと蹴り上げ、尻尾で受け止めてみせました。
「すごい。サッカー選手みたい」
みんなは集めた栗を置いて、空っぽ栗ボールでサッカーをして遊ぶことにしました。
「ぼくたち5匹だから、あと少し誰かが来てくれるといいのになぁー」
そこへ、お父さんリスとおじいさんリスと、おばあさんリスが、やってきました。
「栗拾いは、どうした」
と、おじいさんリスが言いましたが、
「サッカーなら、得意よ」
と、おばあさんリスが言ったので、大人のリスも一緒にサッカーをすることになりました。

「ピーッ、始め!」
空っぽ栗ボールを蹴り合って、みんなは、林を駆け回ります。
お父さんリスは、すぐに疲れてハーハー息をしました。
お兄ちゃんリスは、遠くまでボールを蹴飛ばせました。
お姉ちゃんリスは、ボールのところまで速く走れました。
大きいお兄さんリスと大きいお姉さんリスが、うまくボールを転がしました。
いつの間にか、お母さんリスとおばさんリスも、仲間に加わっていました。
おばさんリスは赤ちゃんリスを、おんぶしているので、ボールが飛んで来ると、走って逃げました。
赤ちゃんリスは喜んでキーキー笑いました。
みんなリスらしく、すばやく動き回りました。
でもやっぱり、小さいすえっこリスが、一番すばしっこくて、上手でした。
夕方になったので、みんなは栗を持って家に帰りました。
「ああ、くたびれた」
「ああ、お腹へった」
「みんな上手だったな」
「ぼくたち、リスのサッカーチームだね」
そして、お風呂に入って、栗シチューと、栗ステーキを晩ご飯に食べて、ぐっすりと眠りました。
おしまい
◆子どもと一緒に挿絵を見ながらお楽しみになる方は、こちらからPDFのファイルをダウンロードの上、出力してお楽しみください。 ※個人利用に限ります。

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