数々のスープレシピが人気の、スープ作家・有賀薫さん。
毎月、その時期の旬の野菜をつかった、読んで楽しい、つくっておいしいレシピを、あたたかみのあるスープの絵とともに紹介します。野菜が苦手なお子さんにもおすすめです。
9月は、えだまめ。残暑に味わいたい、えだまめをつかった2品です。ひと手間かかる「すりながし」は、余裕のあるときにぜひ!

香りも味も
こっくり深まる
秋のえだまめ
さやからぷるんと
飛び出します
小学生のとき、大豆を育てる授業がありました。乾燥の大豆を発芽させ、校舎の裏の小さな野菜畑に植え替えます。先生から植物係を任命された私。毎日欠かさず畑に通いました。日曜日に水やりに出かけようとして、母親から「今日は雨だから水はやらなくていいのよ」と言われた記憶があります。やがて花が咲き、実をつけると、よく見慣れた緑のさやが! えだまめは大豆だったんだと、とても感動したのを覚えています。
夏じゅう出回るえだまめですが、9月になると味が深くなっていきます。料理にも使ってみましょう。えだまめのように、たんぱく質が中心の野菜は、ゆでても崩れるほどやわらかくはなりません。でも、長めに塩ゆでにしてさやから出し、昆布だしと一緒にブレンダーをしっかりかけると、淡いグリーンの和風ポタージュ、「すりながし」になります。
ポイントはえだまめの薄皮をむくことと、長めにブレンダーにかけること。ブレンダーにかけたあと、ヘラなどでゆっくり混ぜてやると、細かい気泡が抜けて、よりなめらかになります。冷蔵庫にしまっておけば、残暑の9月にひんやりしたおいしいスープが楽しめます。
手間がかかる料理ですが、もともと、すりながしのような料理は、誰もが作らなくてはいけないものではありません。心にゆとりがあって、やってみようかなと思える日にのんびりやりましょう。やっただけの嬉しさが、ちゃんと返ってくるスープです。
えだまめを目にすると、あの、校舎の裏で畑をのぞいていた小学生の自分を思い出します。畑で野菜が育つ待ち時間を思い出して、大事に大事に食べています。

▼材料(2人分)
えだまめ(さやつきを塩ゆでした状態で)…200g
絹ごし豆腐…100g
昆布だし…200ml
塩…小さじ1/3
▼作り方
1 昆布だしを作っておく。えだまめはさやから取り出す(正味100gほど)。薄皮もむく。
2 ボウルなどにえだまめを入れ、塩を分量からふたつまみほど加え、昆布だしを50~100mlほど加える。ブレンダー(※)にかける。なめらかになったら、豆腐と残りの昆布だしを加えながら、さらに撹拌(かくはん)する。
3 ブレンダーにかけたあと、スプーンなどでゆっくり混ぜ、泡を落ち着かせる。味を見て、残りの塩で味をととのえる。盛り付け、残しておいたえだまめをトッピングする。
※ブレンダーは、ハンドタイプ・据え置き型のどちらでも構いません。ご家庭にあるもので。

▼材料(2~3人分)
えだまめ(さやつきを塩ゆでした状態で)…200g
豚ひき肉…150g
長ねぎ…10cm
サラダ油…小さじ2
酒…大さじ1
しょうゆ…小さじ2
塩、こしょう…少々
▼作り方
1 えだまめはさやから取り出す。長ねぎはみじん切りにする。
2 フライパンにサラダ油をひいてひき肉を広げるようにして入れ、焼き目をつける。肉の色が変わったら、長ねぎも加えて軽く炒め、酒としょうゆを加えて混ぜ、塩、こしょうである程度しっかり味をつける。
3 1のえだまめを加えて全体を混ぜ合わせ、火を止める。
★今月の台所メモ★
火にかけない昆布だし
昆布のだしは、かつおだしや煮干しだしに比べるとうまみはおだやかですが、使う食材のおいしさを生かしてくれる、縁の下の力持ち的な存在です。和食はもちろん、洋風のスープやカレーに使っても、おいしさが際立ちます。
昆布を水に入れてゆっくり煮出せば簡単にとれますが、忙しい人におすすめなのが「水だし」。作りやすい量として、水600mlに昆布5~7gほど入れたまま冷蔵庫にひと晩おくだけで昆布だしがとれます。ボトルに作り置きしておけば、冷たい料理にもすぐに使えて便利です。
来月は これ読もう!
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