絵本作家のみなさんに、お気に入りのレシピを教えてもらいました。それぞれの家庭の定番料理から、旅先での忘れられない味を再現したものまで……2000年から2002年にかけて「こどものとも年少版」折込で連載されていた「私の料理自慢」を改題・再掲いたします。作家たちの素顔が垣間見えるエピソードとともにお楽しみください。
第10回は『はっぱのおうち』、『ぱん だいすき』などの絵本を手掛けた征矢清さんです。
征矢清
友人に伴われて、フランス人の男性が私たちの住む山の家を訪ねてきました。楽しくお茶を飲んでいるうちに意気投合して、来客は一泊していくことになりました。さて、夕食になにを用意しようかと、台所にあるはずの食材を探しましたが、あいにく、翌日、買い物にいこうという日だったので、なにもありません。ただ、ごぼうだけがたくさんありました。
フランスにはごぼうなどというものがあるのかと聞くと、野生のものはあるが、フランスでは一般に食べない、しかし自分は日本で食べて大好きになったという。きんぴらごぼうを食べたらしい。そこで、同じものをごちそうしてもつまらないので、ごぼうの炊き込みご飯を考えました。
この発想は、友だちになったフランス人に大好評でした。おいしい、おいしいと食べたうえに、翌朝、台所まで顔を出して炊飯器をのぞきこみ、「ゆうべのゴボウライスはどうした?」と聞く始末です。そこで、残ったごぼう飯をにぎり飯にして、お昼に食べるようにもっていってもらいました。後日、「お昼のゴボウライスは、とてもおいしかった」というお礼状をもらいました。そのとき以来、わが家では、ごぼうを使った炊き込みご飯を“ごぼうライス”と呼ぶようになりました。そして、今日まで何組かのお客さまに食べてもらいましたが、子どもまで含めて、おいしいと食べてもらっています。

はじめに、おいしさの基本となる炊き込み用のだし汁を作ります。これは、他のあらゆる料理にも使用できるので、私は“常備のだし”と呼んで、数日に1回作って冷蔵庫に保存しています。山道を歩いていて見つけた2、3本の山蕗(ふき)でも、このだし汁でさっと煮れば、たちまち季節の一品として夕食の食卓に加わります。魚や野菜の煮物の他、そばのつけ汁などにも使えます。
水──1000ml
だし昆布──10g
かつお節──20g
醤油──100ml
酒──50ml
煮立てないようにしながら、昆布でだしをとり、その後、かつお節を入れて、沈むのを待ってからふきんでこし、そこに醤油と酒を加えます。
米──3合
ごぼう──130g
干し椎茸──25g
(米はといだ後、ざるで水をきっておく。ごぼうはささがきにし、干し椎茸はもどして千切りにする)
ごぼうと椎茸を、常備のだし汁500~600mlでごぼうに味がしみる程度に煮て、これが冷めたら煮汁を炊飯器の米にそそぎ、あとは炊飯器の3の線まで水を足します。これに、煮たごぼうと椎茸、酒50mlを加え、軽く混ぜ合わせて炊飯すればできあがり!
注1)ごぼうと椎茸を煮るときに浮いてくる灰汁(あく)は、ていねいに取り除いてください。
注2)お好みで鶏肉を入れると、味にふくらみがでます。
(ごぼうと鶏肉はとても相性がいい)

※「こどものとも年少版」2001年1月号折り込み付録より改題・再掲
※表記は掲載当時のままとなっています
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