来月は これ読もう!

6月は これ読もう! ≪東京子ども図書館の職員がおすすめする6月の絵本&読み物11選≫

絵本 |
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季節の本を楽しみたい! そう思っていても、あわただしく過ごしていると、あっという間に、もう次の季節……。それなら少し余裕をもって、準備を始めてみませんか?

この連載では、子どもたちに本を手渡しつづけている東京子ども図書館の皆さんに「来月のおすすめの本」をご紹介いただきます。6月のおすすめを教えてくださるのは、笹岡智子さん。さあ、6月はこれ読もう!

6月は、これ読もう!

6月は雨の季節。洗濯物はなかなか乾かないし、なんとなく気分が晴れませんね。

外で思いきり遊べず、エネルギーを持て余している子もちらほら。 そこで今回は、外に出られない日に、家での読書やおうち遊びがたのしくなる本や、じめじめした気分を軽くしてくれるような本を集めてみました。
 

ピックアップ ①
『もりのえほん』

安野光雅 作 / 福音館書店 / 幼児から

森の中にうっそうと茂る木立や木の幹、草むらに目をこらすと……あれ? サイが、リスが、ゾウが見えてきた…?!

ページいっぱいに広がる森の風景に、ひっそりかくれている動物たちを探す、文字のない絵本。細部まで描き込まれた絵をじっくり眺めていると、気づけば時間があっという間に経ってしまいます。

子どもの頃、早起きした休みの日の朝に、ほかの家族が起きてくるまで、父と2人でこの絵本でよく一緒に遊びました。児童室でも、ちょっと退屈している子にすすめると、喜ばれる絵本です。

ピックアップ ②
愛蔵版 おはなしのろうそく7『雨のち晴』

東京子ども図書館 編 大社玲子 挿絵 / 東京子ども図書館 / 幼児から

ある雨の日のこと、ガチョウおくさんの家で雨もりが。ガチョウおくさんはあわててヤギさんに修理を頼みに行きます。ところが、ヤギさんが来たときには雨がやんで、雨もりもストップ。ガチョウおくさんはヤギさんを追い返してしまいます。するとまた雨が降ってきて……。

大まじめだけどちょっと抜けているガチョウおくさんのおかしいお話。「愛蔵版おはなしのろうそく」シリーズには、耳で聞けば幼児からたのしめるお話がたくさん入っています。ぜひ読んであげてくださいね。

ピックアップ ③
『あめがふるときちょうちょうはどこへ

M・ゲアリック 文 L・ワイスガード 絵 岡部うた子 訳 / 金の星社 / 小学生から

雨の日、もぐらは穴にもぐるし、みつばちは巣にとんでかえります。小鳥はつばさの下にあたまを入れるんですって。でも、ちょうちょうは? 雨の日ちょうちょうはどうしているのでしょう?

雨の日の生きものの生態を、詩のような文章でやさしく伝える絵本。青を基調にした、やわらかい質感の絵も美しいです。身近な自然や生きものたちへの興味がわいて、雨の日の散歩が楽しみになると思いますよ。

★ 6月のおすすめブックリスト

≪幼児から≫

④『雨、あめ』 ピーター・スピアー 作 / 評論社
姉弟が庭で遊んでいると、雨が降ってきました。走って家にかけこんだ2人は、レインコートを着て、長靴をはき、傘もさして、準備万端! 雨の中へ出かけていきます。水たまりにとびこんだり、雨つぶでネックレスのようになったクモの巣を見つけたり、ときにはすべって転んだり……。文字はありませんが、コマ割りの絵を追いながら、2人と一緒に雨の1日を堪能できます。
長男が幼い頃、この絵本が大のお気に入りでした。 細々と描かれた絵を飽きずに眺め、あれこれ指さしたり、一緒にお話をつくったりしながら、親子で何度もたのしんだ思い出の1冊です。

⑤『おさらをあらわなかったおじさん』 フィリス・クラジラフスキー 文 バーバラ・クーニー 絵 光吉夏弥 訳 / 岩波書店
ひとり暮らしのおじさんは、料理が大好き。でも、食べ終えたらくたびれてしまったので、使ったお皿は洗わないでそのままにしてしまいます。そのうち、流しも、テーブルの上も、本棚の上も汚れたお皿でいっぱいに。とうとうきれいなお皿が足りなくなって、今度は石けん入れや灰皿、植木鉢をお皿がわりにします。ついに何もかも使い果たしてしまったとき、雨が……。
おじさんがひらめいた名案とは? 黒・赤・緑の3色のしゃれた絵も愉快で、気分が重くなりがちな雨の日にも、くすっと笑える絵本です。

⑥『かばくんのふね』  
岸田衿子 作 中谷千代子 絵 / 福音館書店
雨が降ってきて、動物園が洪水に! 「のせてくれ かばくん」と動物たちが次々に自分のこどもたちを連れてきます。かばくんはみんなを背中にのせて、岸まで安全に運んであげます。読んであげると、幼い子どもたちは優しく頼もしいかばくんにぴったりと気持ちを寄せ、物語の終わりにはとても満ち足りた表情を見せてくれます。

⑦『ピッツァぼうや』
ウィリアム・スタイグ 作 木坂 涼 訳 / 好学社
雨で外に遊びに行けなくて、ごきげんななめのピート。するとお父さんが「ピートでピッツァをつくったら……」と、ピートをテーブルにのせて、大真面目にこねたりのばしたり。退屈な雨の日も、こんなふうにユーモアとスキンシップでたのしい時間に変えられたら素敵ですね。読み終えた瞬間に、真似したくなること請け合いです。

⑧『ももいろのきりん』
中川李枝子 作 中川宗弥 絵 / 福音館書店
るるこは、おかあさんからもらった大きなももいろの紙をつかって、世界一大きくて世界一きれいな、きりんのキリカを作ります。クレヨンで大きな目と口を描いたら、キリカは元気にしゃべりはじめ、るるこを背中にのせて庭をかけまわります。夜にはるるこの部屋で、窓からくびを出したまま眠りにつきます。ところが夜のうちに降った雨で、るるこのくびは色がはげおちて、二つに折れまがってしまい……。 子どもたちを一気に想像の世界に連れていってくれるお話。読んだ後には、自分だけの「キリカ」を作りたくなります。

⑨『しんぶんしでつくろう』
よしだきみまろ 作 / 福音館書店
新聞紙の四隅を引っぱり一番大きくちぎりとれた人が勝つゲームや、丸めた新聞紙を組み立ててつくるおうちなど、新聞紙でできる遊びや工作をたっぷり紹介。 幼い子から簡単にできるアイディアが満載で、「家でなにして遊ぼう?」にすぐ応えてくれます。


≪小学生から≫

⑩『しずくのぼうけん』
マリア・テルリコフスカ 作 ボフダン・ブテンコ 絵 うちだ りさこ 訳 / 福音館書店

バケツから飛び出したひと粒のしずくが、ひとりぼっちで旅に出ました。
おひさまに照らされて空にのぼり、雲にたどりついたと思ったら、ぱらぱらと地面へ後戻り。岩の割れめに落っこちて、寒い夜に氷になる……。 しずくの旅を追いかけながら、水の循環が自然と理解できる科学絵本です。

⑪『リーサの庭の花まつり』
エルサ・ベスコフ 作・絵 石井登志子 訳 / 童話館出版
今年の夏至は6月21日。1年で一番日が長く、夜が短いこの日は、夏の短い北欧の人たちにとって特別な日で、各地で夏至を祝うお祭りが開かれるそうです。北欧スウェーデンの作家によるこの絵本は、森のはずれに暮らすリーサが、夏至の妖精に誘われて、夏至の夜に庭の花たちがひらく「花まつり」に参加する物語。 ばらの女王にしゃくやくの夫人たち、くるまゆりの男爵にブルーベリーの子どもたち……。擬人化された花たちの絵がうっとりするほど美しく、以前児童室で一緒にこの本を読んだ小学生の女の子は、ページを繰るたびに「すてき……」とため息をついていました。きれいなものが好きな子におすすめです。

 
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