今月も、Webマガジン「とものま」をご覧いただき、ありがとうございます。
9月は、夏から秋に移り変わっていく季節ですね。岩手の牧場で撮影した今月の写真は、まさに今の時期を象徴するようです。夏を懸命に生きたセミが残した抜け殻と、秋に向かって色づいていく赤とんぼの仲間のノシメトンボ。いろんな生き物たちの命が交錯しながら季節は進んでいきます。
セミについて思い出すのは、ある夏の仕事帰りのこと。通りすがりの公園の木で羽化をはじめたセミの幼虫を見つけたことがありました。子どものころはよく、羽化のために地上に出てきたセミの幼虫を連れ帰り、網戸をのぼらせて羽化を観察したものです。なんだか懐かしく、そのままじっと眺めていると、やはり仕事帰りのスーツを着た男性が「何を見ているんですか?」と話しかけてきました。
「ほら、セミが羽化しているんです」
「えっ…? 本当だ。まっしろで、すごくきれいですね。毎日通っている道ですが、初めて見ました」
その男性はセミの身体がすべて抜け出すまで見届けて、「おかげでよいものを見ました」とお礼を言って帰って行きました。
夏のあいだ、この公園ではたくさんのセミたちが羽化します。いくらでも目に入りそうなものですが、意識していないと目には映らないのですね。世界を豊かに広げていくものは好奇心──そんなことを考えた夜でした。
──それでは、9月の「とものま」の公開予定のお知らせです。
(公開日は前後することがあります)
9/2 水 来月は これ読もう!(電車の絵本&読み物 12 選)
東京子ども図書館の皆さんが、おすすめの絵本や読み物を紹介する連載です。今回からジャンル別の本の紹介に変わります。選者は護得久えみ子さん。テーマは、ご自身も「大好き!」という「電車」の本です。
9/3 木・15火 わたしの好きな「たくさんのふしぎ」
月刊誌「たくさんのふしぎ」の通巻500号を記念して、著者の方々にお気に入りの1冊を教えていただきます。今月は、高野秀行さんと、五十嵐大介さんにご登場いただきます。
9/4 金 手から手へ 松居直の社内講義録
月刊絵本「こどものとも」を創刊した編集者・松居直が福音館書店で行った社内講義の内容を公開していきます。今月は、インドの物語を絵本として刊行するまでの秘話を。
9/7 月 親の知らない 子どもの時間
おおとりの森こども園で保育者として子どもと向きあってきた松本崇史さんが、子どもたちの成長をつづる連載。今回が最終回です。最終回のテーマは、子どもたちが一緒にいることで育っていくもの、です。
9/9 水・29火 「こどものとも」わたしの1冊
創刊70周年をむかえた「こどものとも」。福音館社員が、自分にとって印象的だった「こどものとも」を紹介します。
9/11 金 母の気も知らぬきみ
3人家族の楽しくてドタバタな日々をつづる子育てエッセイ漫画。今回はyasucoさんの「授乳」にまつわる思い出。うまくいかない授乳に戸惑い、追いつめられそうになりますが……。
9/14 月 有賀さんの スープと、やさいと。
スープ作家の有賀薫さんに、旬のおいしい野菜を使ったレシピを教えていただきます。9月の野菜は「えだまめ」。素材を生かしたレシピを2品ご紹介します。
9/16 水 絵本のとびらを開いたら
図書館司書として子どもたちに本を手渡してきた伊藤明美さんに、絵本の魅力や楽しみ方について語っていただく連載です。今月は「赤ちゃんの絵本」の後編です。
9/18 金 あの人の ほっとするとき ほっとするもの
「くまのボリス」シリーズの翻訳者・中野百合子さんの「ほっとするとき」をご紹介します。ロンドン市内の公共図書館に勤める中野さんの、心安らぐ時間とは…?
9/21~27 こどもに聞かせる 一日一話
子どもに読んであげられる短いお話を、年に4回、7話ずつ掲載する「一日一話」。9月の書き手は、荒川薫さん、大塚健太さん、かのうかりんさん、シミー書房さん、西平あかねさん、柗村裕子さん、吉田瑠美さん(掲載順未定)です。
9/28 月 こどものこころの保健室
北海道で子どもの心の悩みに寄り添い続けてきた児童精神科医・田中康雄さんの連載。今月は、スマホに夢中になり部屋にこもりがちになっている中1の男子についての相談です。
9/30 水 こどもとわたし
9月の執筆者は、シミー書房として手作りの本を制作している岡部亮さん。絵本制作と向きあう中でよみがえってきた、子ども時代の記憶について、つづっていただきます。
このほかの連載記事も、順次公開してまいります。今月もぜひ、「とものま」をお楽しみください。
とものま 編集部
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編集部・I
高校生のころ、山登りをする部活に入っていました。河原のキャンプ場で夜を過ごすこともあり、そういうときはよくたき火をしました。薪を格子に組んで、その下に乾いた落ち葉や枯れ草あるいは新聞紙などをいれて火をつけ、すこしずつ火を大きくしていく。今年の夏に訪れたのは、キャンプ場ではなくロッジでしたが、たき火ができるところでした。その日はあいにくの雨でしたが、木々がしげっているので落ちてくる雨はそこまでではありません。このくらいならできるかな? と、薪を組んで火をつけて……。雨に負けない力強いたき火を眺めながら、昔取った杵柄ってこういうことかなと思いました。

編集部・K
好評連載、「有賀さんの スープと、やさいと。」。毎月、有賀薫さんから原稿をいただいたら、レシピ通りに料理を作り確認をしています。8月に公開した「モロヘイヤとトマトのかけごはん」を作ったところ、とてもおいしくて、野菜が苦手の娘もおかわりをするほど。翌週、ふたたびモロヘイヤを入手したので、レシピを見ずにうろ覚えでつくったところ、まったくの別物でなんだか青臭い……。レシピを見直したら、モロヘイヤを入れるタイミングを大きく間違えていました。猛省。レシピは、大事で尊い、ということを改めて認識しました。夏バテの体に効くこのスープ、おすすめです!(必ずレシピ通りに)

編集部・O
「新鮮なホヤってフルーツみたいですよ」。昨年インタビューした方からそんな話を聞いて以来、食べてみたかった採れたてのホヤ。先日、宮城県塩釜市で立ち寄ったお寿司屋さんで頼もうとしたら残念ながら品切れ。諦めきれず、駅併設のスーパーの鮮魚コーナーをのぞくと、ありました。店員さんにさばいてもらって食べると、爽やかな甘さで口の中に海が広がるような新感覚の味わい。味もさることながら、幼体のときは海中を浮遊し、その後岩場に張り付くことや、植物特有の細胞壁があるなど不思議な生態にも興味を引かれました。
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こどものとも70周年
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えほんQ&A
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