2025年3月に休刊となった雑誌「母の友」に「こどもに聞かせる 一日一話」という人気企画がありました。子どもにさっと読んであげられる短いお話を一挙にまとめて掲載するものです。その「一日一話」を、2025年12月から「とものま」で再開しました。季節ごとに7話ずつ、とびっきりのお話をお届けします。
向坂 くじら 文 日隈 みさき 絵
ある昼りんちゃん歩いていたら、みずどりのしーちゃんが、ぴちぴちぴちっと飛んでった。りんちゃんは、ことりじゃないよ。人間の子ども。だけど、りんちゃんとしーちゃんは、なかよしのおしゃべりともだち。
しーちゃんは、池の近くをぐるぐるまわって、こんなふうに歌っていたよ。
ららぴぴ ららぱぱ
ぴんぽーん
むーええ れいじれいふんです

「つづきは? つづきは?」
りんちゃんが言うと、しーちゃんはぴちぴちぴちっとさえずって、またくるっとまわって、歌ったよ。
まよなかの とあにすぴ
おとくいの
のあぴ のあぴで
うたっていたよ
ららぴぴ ららぱぱ
ららぴぴ ららぱぱ
りんちゃんは、よろこんだ。
「すてき! すてき! それって、どういう意味なの?」
だけど、しーちゃんぴちっとウインクして、池の向こうへ飛んでいっちゃった。
りんちゃんぴょこぴょこかえってくると、おかあさんが、キッチンでおしりをふりふり、こんなふうに歌っていたよ。
きんぴら ぴらぴら
にんじん むきます
ピーラー ぴらぴら
おしおは ぱらぱら
きんぴら ぴらぴら……
おかあさんは歌いながら、にんじんをうすーく、うすーく、ぴらぴらむいた。ガラスのボウルには、水が入っていたよ。しんとした水にうつって、キッチンも、おかあさんの手も、りんちゃんのかおも、みんなさかさま。りんちゃんはじーっとみつめたよ。それから、「もういっかい、あそんでくる!」とおかあさんにタッチして、はしっていったよ。

池についたら、池の水にうつって、空も、お花も、りんちゃんのかおも、やっぱりさかさま。りんちゃんは、にっこり。さかさまりんちゃんも、にっこり。そこへ、しーちゃんぴちっと飛んできた。りんちゃんはもっとにっこり。それから、歌ったよ。
まよなかの ピアニスト
おとくいの
ピアノ ピアノで
うたっていたよ
ぴらぴら ぱらぱら
ぴらぴら ぱらぱら!
すると、しーちゃんはうれしそうに羽ばたいて、つづきを歌ってくれた。
ぴんぽーん
むーえぴ れいじれいふんです
まっぴるまの といろっぱ
ごじまんの
らろぺぷらろぺぷ
まわっていたよ
こんどは、りんちゃんも大きな声で、さかさまうたを歌ったよ。
ぴらぴら ぱらぱら
ららぴぴ ららぱぱ
水の上にはなかよく歌う、しーちゃんとりんちゃんが、さかさまにうつっていたよ。
(おしまい)
◆子どもと一緒に挿絵を見ながらお楽しみになる方は、こちらからPDFのファイルをダウンロードの上、出力してお楽しみください。 ※個人利用に限ります。

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