「えほんQ&A」は、読者のみなさまから寄せられた疑問や悩みにお答えする連載です。絵本や読み聞かせを楽しむときの参考に、どうぞご覧ください。
いろんな絵本を読んであげたいのに、子どもが「読んで」と持ってくるのは乗り物の絵本ばかり。ほかの絵本も楽しめるようになってほしいけれど、どうしたらよいですか?
乗り物が大好きな子、たくさんいます!
電車、車、船、飛行機……いろいろありますが、ぜんぶ好き! という子もいれば、特定の乗り物にばかりハマっていく子も。いろんなタイプはあるものの、読み聞かせの時間になると、乗り物の絵本ばかり持ってくるのは同じです。
読んであげるとすごく喜ぶけれど、このままでいいのかな……。できれば、ほかの絵本にもふれてほしい……。そんなふうに不安を抱く方は、少なくありません。
──でも、心配しなくて大丈夫。
同じテーマの絵本を繰り返し楽しもうとするのは、それだけ心を強くとらえるものに出会えたということ。それは、とてもすてきなことです。
じつは乗り物には、色や形、サイズ、構造、動き、速さ、音、用途など、子どもの好奇心を刺激する要素が詰まっています。そして、乗り物を眺めていると、「どうして動くの?」「何をするの?」「どこへ行くの?」「どのぐらい運べるの?」と、どんどん疑問がわいてきます。子どもにとって、乗り物という存在は、世界のさまざまな仕組みに興味をもって理解していくための、入り口のひとつなのです。大人が思っている以上に、その体験は豊かで、乗り物との出会いを通して、子どもの世界は広がっています。

それから、どんなジャンルでも、絵本を繰り返し楽しんでいると、子どものなかに「本は楽しい」という気持ちが育っていきます。本に対する深い愛着は、本を一生の友とするための大切な一歩です。
──とはいえ、親として、いろんなものに出会ってほしい、いろんなものを好きになってほしい、と願うのも自然なこと。子どもの興味や関心は自然と広がっていくことも多いですが、興味や関心の幅を広げる、きっかけをつくっていくことはできます。
たとえば、乗り物を“入り口”にして世界を広げていく、という方法があります。電車が登場する物語や、働く車が主人公のお話、船で旅する冒険ものなど、要素が重なる絵本を探して、「これは○○が出てくるよ」と声をかけ、読んでみてください。
子どもは、自分の「好き」につながるものに、常にアンテナを張っています。そして大人が楽しそうに読んでいると、不思議と耳を傾けます。最初の反応がいまいちでも、しばらくしてからまた読んでみたり、目にふれるところに置いておいたりすると、ある日「読んで」と持ってきて、びっくり……ということも。

また、日々の暮らしのなかで、子どもはたくさんのものに出会っています。まだ意識が向いていないだけということもありますから、そこに目が向くようにしてあげると、きっかけになることがあります。道ばたの草花や、小さな虫に足をとめてみる。そんなささやかなことでも、子どもの心が動く瞬間がああります。そんなときは、いつもと違う絵本の出番かもしれません。
もし時間のとれるときがあったら、いろんな本に出会える図書館のような場所にも、ぜひ足を運んでみてください。子どもが手にした本から、親の自分が気づいていない子どもの関心事に気づかされることがあります。
子どもはひとりひとり違いますから、“乗り物”に一途に情熱を傾ける子も、もちろんいます。それだけ好きになれるものに出会えるのは、すばらしいことですから、無理に変えようとするのではなく、その「好き」という気持ちを大事にしてあげてくださいね。
※出版社名のない書目は、福音館書店刊
(とものま編集部)
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